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五十川くんは男子の出席番号一番。
席は愛崎さんの隣。私の斜め前。
今まで私はすぐ前の愛崎さんばかりを気にしていたけれど
なぜだろう。あれ以来、五十川くんに目が行く。
授業中。
浅黒い肌のうなじとか、少し眠そうにつく頬杖とか、左手で持つシャープペンとか。
そのひとつひとつにぼんやりと見とれる。
でもだからって話しかけたりは出来なくて、ただ見ているだけ。
元々話すのは得意じゃない。男子に対しては特にそう。
見ているだけでいい。
それだけでいい。
……そう思っていた。
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