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愛崎さんは呆気にとられたような顔をしていた。
でもそれも一瞬。
すぐにキッと表情を変え、私の頬を叩き返した。
鋭い痛みが頬をうつ。
「あっそ。そりゃ良かったねー!
ていうか、私もアンタのこと大嫌いだよ。いつも私のことチラチラ見て、なにも言わずに顔色ばっか伺って、謝るだけでさ」
「なっ……」
「言いたいことあんなら言えよ!勝手に傷ついて、被害者面してんじゃねえ!」
「……っ。そんな……被害者面なんて……わたし…」
「うるさい!白々しいんだよ!」
言葉を遮るように叫ぶと、愛崎さんは私を強く押してきた。
よろめいて尻餅をつく。
机がガタンと音を立てて揺れた。
「痛……っ」
「あんたに何がわかる、だって?こっちの台詞だ!アンタに何がわかんだよ。『愛崎って名字同じでうれしい』なんて。そんなアンタに私の気持ちがわかるわけない!」
「え……」
「私は大嫌いだ。愛崎なんて名字も……アンタもさ……」
「それって……」
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