私が嫌いな愛崎さん

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教卓を上部に書かれた座席表。 男女を交互に縦一列ずつ並べた配置になっている。 入り口に近い列は男子で、出席番号一番は五十川(いそがわ)くん。 一年生のときは別クラスだったのだろう。 あまり聞き覚えがない名前だ。 そしてその隣・女子の一番は当然私だろうと思っていたのだが、少し想像と違っていた。 濃いピンクで書かれた名前は『愛崎(ア)』 一瞬なにがなんだかわからなかったが、よくよく見ると『愛崎(ア)』のひとつ後ろの席は『愛崎(ト)』と書かれている。 そして私は愛崎トモ子。 つまりこれは…… 「もう一人、愛崎さんがいるのか……」 その子が出席番号一番。 私はひとつ後ろの二番。 そういうことのようだ。 「……ふーん……」 小さくつぶやくと私は座席表通りの席へ向かい、腰をおろす。 前の席はまだ空席。 愛崎(ア)さんはまだ来ていないようだ。 私はうつむき、プリントなどを確認しながら時間をつぶす。 ……初めてだな。 出席番号一番じゃないのも。 同じ名字の人がクラスにいるのも。 なんだか変な感じがした。
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