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店へ着くと、今夜も先に来ていた晧月が笑顔で出迎えた。
「今日は遅かったですね……どうしたんですか?」
深刻そうな俺の表情に、男は真っ先に気が付く。
「彼女と、まひるさんとは……上手くいってるんですか?」
「智暁……」
眉をやや顰める晧月に、俺は質問内容を失敗したことに気が付く。
だが1度口にした疑問は止まることを知らず、そのまま確信をついていく。
「その結婚、正解なんですか?」
次の瞬間、大きく眉間に皺を寄せた彼が視界に入った。
「……すみません。差し出がましいことを……俺、あなた方夫婦のプランナーなのに。徳富様と過ごした時間が楽しくて、つい奥様のこと忘れてて」
とんでもないことを言ってしまった自覚のある俺は、彼に視線を合わせることができず、何度も頭を下げその場を後にしたのだった。
俺、この結婚を中止させようとした?!
これは誰の為?
会社の為?それともお客である晧月の為?
それとも……?
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