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運転席のドアが不意に開き、どこかで見覚えのある背の高い男が降りてくる。 男は入店と同時に、掛けていたサングラスを外した。 「あっ!」 その様子を横目で見ていた俺は思わず小さく声を上げる。 テラスにいる俺に、男が気付いた様子は無い。 ……昼間のあの(、、)いけ好かないヤツじゃないか! そう思った俺は、口に含んだばかりの甘いホイップがみるみる内に味を無くしていくのを感じていた。 プライベートの時間にまで嫌なヤツの姿を見ることになるとは! てっきりIT社長だから六本木辺りが生活圏内かと思っていたけど…… やがて男は、ホットの容器を片手に店から出て来る。 その瞬間、テラスにいた俺の方をチラリと視線を向けた。 さり気なく男に俺は背を向ける。
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