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「でも処女だよ。オジさんみたいに嘘はついてないよ♪」
「そうなのか」
「触らされたことがあるだけだよ」
「そうか」
少女の過去に触れる気になれなかった中年男は、加え続けられる感触に反応もせず身動きもしなかった。
「足は本当に動かないの?」
「動かない。根本で縛ってあるからもう腐るだけだ。両腕も自分で傷付けた」
足のギブスは自作だと言った男は、黒ずんでいく自分の足を見たくないと思い 嵌めたと言った。ついでに臭いも防げるからとも言った。
「敗血症だね。死因」
「なんでもいい、死ぬのは規定事項だ」
少女は鼻をギブスに近づける。
以前、うっかり嗅いでしまった死んだ家ネズミのような臭いがした。
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