赤の証明。

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「重ね重ねすまない。申し訳ない」 「昨日もしたんだから、今さら♪」  中年男は少し動揺の色は見せたものの少女の方は手慣れた様子で、中年男の“モノ”を掴み出し、半分皮をかむりで弱っている“やる気のないマムシの頭”を完全に剥き出して、それをやさしく摘んで鎌首をもたげさせて和式トイレの便器の上空に待空させてあげた。 「キャプテン。いつでも発射どうぞ♪」 「キャプテンて柄じゃないよ、俺の息子さんはさ」  ここ数年、いや…。確実に十年は使用されていない息子さんは日頃役に立っていないせいか、それとも突然のことで気分がすぐれていないのか、それとなく刺激を与えたつもりの少女をガッカリさせた。 「でもさ息子って♪うちのお父ちゃんだって言わないよ♪」 「ちなみに君のお父さんは何歳?」 「四十歳だよ♪」 「年下か…」  中年男は自身の娘と年齢とあまり変わらないと思っていた少女の父親が、自分よりずっと年下なのに驚かされ上手く持ち上がらない両手をフリフリ、頭を抱えた。  もちろん両手の自由は利かないので、抱えることは物理的にてきなかった。
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