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これでも男の端くれなので一応構いたかった中年男ではあった、が。
ある理由からその気にもなれなかった。
男は少女に自身の鎌首の口の黄色い雫をトイレットペーパーでぬぐう振りをして悪戯に頭をクルリと擦り上げられた際に、
「くわっ」
小さく背を反って呻いた。
だがそれ以上何事もなく、鎌首は縞柄パンツの中に戻された。
「はい終わり終わり♪」
少女は意地悪そうに目を細め、口の端をちょっと上げて中年男の禿げ始めた頭越しにコロッと小首を傾げ、雨に濡れた子犬のような加齢臭がじんわり匂う耳元に囁いた。
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