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紀美の家を出てから、私は今度は一時間かけて紀美の家から真反対にある花ノ台図書館に向かった。
途中、熱中症にならないように自販機で購入したスポーツドリンクで水分補給しながら自転車を漕いだ。
昨日の喫茶店での話で、悠紀子さんから花ノ台東の課外授業が図書館の2階にある講堂であると聞かされていた。
「どうしてそんなことを知ってるんですか?」
一般に向けた情報じゃないから、講堂の事務所にある掲示板を見に行かないと分からないスケジュールだ。普通はそんなところまで見に行ったりしない。
「んっふっふ。それは秘密。来てくれてからのお楽しみ」
もったいぶって答えをかわす悠紀子さんは、ミステリアスに見えた。それ以上聞き出せもせず、当日まで話してくれなさそうだったので、私はそれ以上聞くのをやめた。
待ち合わせの2階の喫茶店には、昨日と同じ一番奥の席で、悠紀子さんは昨日と同じようにハーブティーを飲んでいた。
「美由紀ちゃんこっちよ」
私を見つけた悠紀子さんが笑顔で手を振る。
店内には昨日と同じく愛ちゃんがカウンターで作業をしているのみだ。
「いらっしゃい。悠紀子さんお待ちかねよ」
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