休日〜ヨーちゃん目線編〜

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 今日は珍しく彼が家にいる。 普段は私のことなどほっといて仕事ばかりしている人だけれど、 私はほっとかないでよーと思いながらそんな彼の姿が好きだといつも思う。 今日は会社から働きすぎだから休みなさいと言われ、仕方なしの休日らしい。 きっとそのせいで朝から彼はふてくされている。 感情を一切表情に出さない人だけれど、朝からコーヒーを5杯も飲んでいるので、これは完全にふてくされている。 彼はふてくされている時、ひたすらコーヒーを飲む。それが可愛くて仕方ない。 「暇だ」 彼はそう言って読んでいた新聞を下げる。 彼は新聞を構えている時、本当は内容なんて頭に入ってなくて、満たされない時間をどう満たそうか考えていることを私は知っている。そして新聞を下げたら、何か思いついたサイン。 「何する?」 そう問いかける私を見て、 「何しよう」 と返す彼。 嘘である。 本当は彼は何をしようか思いついている。 「したいことある?」 そう聞いてくる彼に対して少し意地悪。 「映画見たいかな」 私は別に見たい映画など今はないのだけれど、彼のしたいことを妨害するために、ありもしない欲求をぶつけてみる。 「映画かあ」 彼が語尾を「〜かあ」と伸ばす時は大抵納得がいっていない時だ。 しかし彼は優しいから絶対に私の要求を否定しない。 そんな彼を愛しくなって、意地悪してごめん、あなたのしたいことを私はしたいのよ、と心の中で思う。 「嘘よ」 「え?」 「あなたは何がしたいの?」 「んー、ピクニック」 「そう、素敵ね」 「?」 「天気いいしね、素敵、ピクニック、いこ!」 彼はいたって冷静な表情だけれど、とても嬉しそうなのはわかる。 だって、青と白のストライプのシャツを着たから。 彼はこのシャツを着ると決まってあることを言う。 「ヨーちゃん、行こっか」 「うん」 スニーカとチノパンと、ストライプのシャツ。 最高。 あとはあのセリフだけ。 「ヨーちゃん、似合ってる?」 「うん、とっても素敵よ」 慶ちゃん、さいっっっこうにあなたのこと好き。
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