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そうだ。
母が生きていた頃から僕はきっとこんな風だった。
それなら僕と言う人間性に
母の死も霊魂も無関係だってことになる。
「そんなことはありません。あなたは変わるはずです」
とんだ食わせ者か?
キラは聞く耳を持たず言い張る。
「ならやってみなよ」
僕は軽く言った。
「和樹!君はまたそんな風に無鉄砲な」
九条さんが咎めると
「そんなところも変わりますよ」
「え?」
すかさずキラが口を挟んだ。
「本来の彼の姿が朧気にですが見えるんです。本来彼は人見知りで愛にとても臆病な子――」
そして最終打を打ったんだ。
「彼は元来とてもいい子です」
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