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その後キラは霊媒師らしく除霊の儀式を行うと言った。
貴恵と薫が呼び戻されこれで家に平安が戻ると説明する。
半信半疑の2人を座らせ香を焚くと
経文のような言葉を皆が欠伸を噛み殺すまで吐き続けた。
そして僕には
今夜必ず枕元に置いて眠るようにと。
「小刀……?」
「お母様との悪縁を断ち切る——小道具みたいな物ですよ。ああ、それからこれだ」
何をするのかと思えば差し出した小刀で
キマイラの尻尾の毛をほんの少し刈り取り
「和樹さんの髪の毛も1本拝借できますか?」
「ああ、はい……」
そこに僕の髪の毛を織り交ぜて小さな袋に詰めた。
「これも一緒に枕元に置いておいて。効力が無くなりますから決して中を開けないように」
「分かった」
袋の口を縛り即席のお守りだ。
小刀と聊か頼りないお守りを手に立ち尽くす僕に
「心配ありません。上手くいってる。明日の朝にはあなたは生まれ変わってっ目を覚ますでしょう」
力強く声をかけ
霊能者はシェパードを従え帰って行った。
それで?
次の朝、どうなっていたかって——?
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