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征司の抵抗がなくなった頃には反対に
とてつもない欲望がこちらに流れ込んでくるのを感じた。
「おいっ……もういい……立てよ……」
自分が絶頂を迎えるより先に
征司は僕を支配したくてたまらないみたいだ。
「ダメ……今日はこれだけ」
「何……?」
でも僕は許さなかった。
はなから身体に触れさせる気はなかったんだ。
「あなたがもっと本気になるまで……僕の身体はお預けだよ」
これは新しく目覚めた僕の
まだ始まったばかりの駆け引きだった。
「俺を挑発すんのか?」
征司は僕の髪を掴み上げる。
「まあね――」
無理に押し倒すことだってできた。
だけど征司は馬鹿じゃない。
一周僕の頭を撫でまわし溜息を吐くと言った。
「なら続けろ――」
ゲームを続けろ。
僕の耳にはそう聞こえた。
そうして熱い欲望を飲み込むと僕は部屋を出た。
次に会うべき人は決まっていた。
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