31人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「しかし——ようはこいつさえこの家に留まればおかしな事は起こらなくなるんだろう?」
「ええ、まあ……」
征司の問いかけにキラは口ごもり
また僕ではなく僕の後ろに視線をやった。
「たしかに彼にお母様の霊が憑いているので、彼女を求めるお父様の霊魂は静まります。ですが――」
「ですが?何?」
すかさずおうむ返しに聞き返したのは僕だ。
これ以上きな臭い話はご免だった。
キマイラが寄り添うようにキラの隣に座った。
4つの同情的な瞳に見つめられ僕は辟易する。
「あなたにお母様の霊が憑いている限り——良かれ悪しかれ周りの人を誑(たぶら)かし狂わせてしまう」
最初のコメントを投稿しよう!