episode253 挑発

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「僕は聞きたい。もちろん和樹が構わないなら」 「もともとこいつにプライバシーなんてないさ。いつだって垂れ流しだ」 控えめな九条さんの言葉尻に重ねるように 征司が傲慢に言い放った。 「それにな、俺たちは隠し事のない兄弟だ。なあ和樹?」 「そうでしたっけ……」 「そうさ。昔から一番おまえの事をよく分かってるのは俺だろ?」 「ええ……まあ……」 軽く九条さんをけん制し むろん僕には反対意見など言わせないつもりだ。 「でも今の彼を一番よく知るのは僕かもね」 「あんただと?」 だからこそ余計に九条さんも引かなかった。 「ああ。だから和樹の話を聞くのは僕の方が適任かと」
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