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「僕は聞きたい。もちろん和樹が構わないなら」
「もともとこいつにプライバシーなんてないさ。いつだって垂れ流しだ」
控えめな九条さんの言葉尻に重ねるように
征司が傲慢に言い放った。
「それにな、俺たちは隠し事のない兄弟だ。なあ和樹?」
「そうでしたっけ……」
「そうさ。昔から一番おまえの事をよく分かってるのは俺だろ?」
「ええ……まあ……」
軽く九条さんをけん制し
むろん僕には反対意見など言わせないつもりだ。
「でも今の彼を一番よく知るのは僕かもね」
「あんただと?」
だからこそ余計に九条さんも引かなかった。
「ああ。だから和樹の話を聞くのは僕の方が適任かと」
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