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12時30分、決断のとき
そうして迎えた、その日の昼休み。
校舎の時計の針は12時30分を指していた。
校庭に、セーラー服姿のまま対峙する二つの集団があった。
エンニオ・モリコーネ(※西部劇音楽の巨匠)のBGMが流れ、口笛が響き、風に砂埃が舞い、タンブルウィード(※回転草)さえ転がってきそうな緊張感の溢れたムード──まさにマカロニウエスタンの様相だった。
「そもそも、最近のあんた気に入らなかったのよ。リーダーとか呼ばれて調子に乗って、クラスの中心人物にでもなったつもり?」
腕組みをして、お嬢は対立グループの中心に立つリーダーを鋭く睨めつけた。
「『気に入らない』はこっちの台詞よ。金持ちでも何でもない一般中流家庭のくせにお嬢とか呼ばれて調子に乗って、徒党まで従えて。そのいい加減なキャラ設定も我儘も、大概にしてほしいものだわ」
リーダーも負けじとお嬢を睨み返し、小脇に抱えていたボールを二、三度、威嚇するようにバウンドさせる。
「……ふっ」
そんな挑発的なリーダーの態度に、お嬢は目を伏せて余裕の笑みを漏らした。
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