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「……あんた変わったわね。昔はオドオドして、私に金魚のフンみたいにまとわりついてたくせに」
「あんたこそ。昔は泣き虫でしょんべん垂れだったくせに、随分と偉くなったものね」
同じように唇の端を吊り上げて笑うリーダーは、一層乱暴にボールをバウンドさせる。
そして、リーダーがそれをパシッと両手で掴んだ瞬間──。
「これは戦争よ!!」
二人の声が揃い、校庭にこだました。
「いい!? 勝った方が問答無用で、クラスの水槽で飼いたいものを飼う!」
「異議無し!」
拳銃の代わりにボールを! しかもソフトな、当たっても痛くないヤツ!
「ついに始まりそうだぜ……お嬢vsリーダーの対決が……!」
「こいつは見物だぜ……。いがみ合ってた二人に、ついに白黒がつくのか!?」
「俺はお嬢を推すぜ……。腕っぷしは確かだからな」
「俺はリーダーに賭けるぜ! 運動神経ならリーダーの方が一枚上手だぜ!」
ざわつくギャラリー! および外野から見守るモブ男子たち!
くらげ派対メダカ派! ひいてはお嬢対リーダーの因縁の対決!
ついに、その戦いの火蓋が切られようとした──
その時だった──。
「やめーーーーーい、二人とも!!」
ゴチンッ!
「おぶっ!」
「ぶほっ!」
かつてない衝撃が、怒声とともに二人の脳天に降ってきた。
それは、お嬢とリーダー、対峙する二人の頭に先生が両手で繰り出した拳骨だった。
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