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入れられざるもの
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「くらげかメダカか? バカか、そんなもん話し合いで穏便に解決しろ、穏便にぃ」
職員室に呼び出された二人は、担任の加代子先生からガミガミと説教を食らっていた。二人に拳骨をくれた主である。
「それに制服着たままで激しいドッジボール大会なんかしようとするな。何事かと思うだろ? せめてジャージを着ろジャージを」
(そういう問題!?)
肩を並べて意気消沈とうなだれながら、二人は同時に心の中でツッコミを入れた。
とはいえ、確かにセーラー服姿の面々が校庭で対峙する光景は異様だったのかもしれない。
そう思うと、二人も粛々と聞き入れざるを得なかった。
加代子先生はため息をついて眼鏡を外し、頭痛を抑えるように額に手を当てた。
「お前らの小学校低学年時代の担任だった白川先生な、私の大学時代の後輩で、今でも懇意なんだよ。だから、その頃のお前らの話もよく聞いてる」
「えっ?」
「えっ?」
小学生時代の担任の先生と加代子先生との意外な接点に、お嬢とリーダーは同時に目を丸くした。
「お前ら、本当は仲良かったんだろ? クラスで友達がいない哀れなモン同士、二人一緒にいることが多かったらしいじゃないか」
(うわぁ……友達がいない哀れなモンとか、そんな辛辣なこと先生がはっきり言っちゃうんだ……)
二人はいささかのショックを受けながら、加代子先生を縋るような目で見上げた。
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