始まり

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「ねぇ、隣のクラスの長谷川くん、かっこいいよね~」 女の子が噂してるのは、この学校の王子様的存在の、長谷川 颯人(ハセガワ ハヤト)くん。 男女問わず分け隔てなく気さくに接していて、よく人に囲まれて笑っている太陽のような人。 おまけに、身長は高いのに顔は小さい、なのに各パーツははっきりしていて鼻が高くて、目はぱっちり二重。 よくハーフなの?って聞かれていた。 その問いにいつも長谷川くんは、純日本人だよ~て答えてる。 はっきり言って、羨ましい。 「おはよ~長谷川くん」 「あ、おはようりかちゃん!あれ?今日感じ違うね?」 「え~わかる~?」 わかるわかる~なんて言って女の子数人と教室へと歩いていく。 天は二物を与えず、とかいうがそれは全くのウソだと思う。 そして反対に僕は、誰に声をかけられることもなく、ただ教室を目指す。 中学までは友達がいたのに高校では一歩遅れてしまったようで、もう夏休み目前だというのに挨拶を交わす知り合いすら作れていなかった。 「はぁ。」
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