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足音を立てないように、ゆっくりゆっくりゆっくりその部屋に近づいた。
きっと、兄さんは芸者のような仕事をしているんだ。
酒の席で、皆んなが俺が整えた兄さんの姿に釘付けになるのだろう。
ゆったりと着物の袖を揺らして舞う兄さんはどれほど美しいことか、そんなことを妄想しながらそっと指3本くらい襖を開けて中の様子をうかがった。
「…っ!?」
しかし、その中にいた兄さんは予想とは全く違うものだった。
見たこともない男に体を委ね、獲物を求める獣のような目で男に縋った。
…気持ち悪い。
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