手を差し伸べて欲しかった

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ここを出て1人になる…なんて出来ないのはわかっている。 ただどうにか自分だけの世界に閉じこもっていたくなり布団を頭まで深くかぶりめをつぶる。 大好きな兄さんがあんな顔で、あんな声で見ず知らずの男によがっているとは思いもしなかった。嫌悪感すら抱いた。 それなのに…それなのに己の下半身は熱を訴え腫れ上がっている。 嫌悪感を抱いたはずなのに、どうしてもそれを慰める手は止めることができなかった。 目からは涙が溢れ出てきた。 脳裏にはずっと先ほどの光景が繰り返し再生されている。 「っ…にいさんっ」
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