これを読むことはできない

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 そこのあなた、読み始めましたね。いやいやそこのあなたですよ。今バッチリと目があっているじゃありませんか。そうです、あなたです。複数ある中でこれを読んでいただけるのはなんとも嬉しい限りです。しかし、残念ながらあなたは最後まで読むことはできないでしょう。はい、何が何でもです。理由ですか、それならありますとも。まず、改行も無く書き綴られているので読みにくいでしょう。この先も改行はしませんよ。ずうっと文字が続いて、どこまで読んだか分からなくなったりするでしょうね。ほら、読みたくなくなったでしょう。・・・まだ読んでいるのですか、だから無駄ですよ。どうせ読めないんですから読むのをやめたらどうですか。読めない理由はまだあります。このまま進んだとして、本編が始まれば専門用語が並び、辞書を片手に読まなくてはならなくなります。それに回りくどい言い回しをしたりもします。メタファーなんかもふんだんに使って脳みそを休める暇はありません。ね、もう読めないでしょう。・・・あなたも頑固ですね。まだ理由はありますとも。このお話は私の崇高な考えを文字にしたものと言っても過言ではありません。あなたの思想や信念、精神までもを執拗なまでに痛めつけることになりますよ。あなたは私の考えにはついてこられないので、読むことはできません。・・・いい加減に目を閉じなさい。左上のバツ印を押して戻ってランキング1位の作品を読んだ方がきっと楽しいし、あなたの役に立つと思いますけどね。まだ読みますか。あなたはもう1分ほど人生を無駄にしたんじゃないですか。じゃあ分かりました、あなたがこれを読めない真の理由を教えてあげましょうか。いいですか、先程述べたことも当然理由になりますが、もっと根本的なことです。あなたがこれを読めない理由は、私がこのお話を最後まで書
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