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第十一章 扮装?変装?
「似合うなあ、自分。」
黒いスーツは少し大きめだが、何とか着れる範囲である。
アキヒトは千里さんに借りたジャケットに
袖を通した瞬間、身が引き締まる思いだった。
ハルカさんにうっとりと見つめられて、悪い気はしない。
だが、そもそも千里さんに似ているから
好きになってもらえたんだと思うと、複雑な気持ちだった。
「・・・・・・俺、千里さんじゃないですからね。」
少し拗ねたように言うアキヒトを、ハルカさんがぎゅっと抱きしめる。
「当たり前や。僕はアッキーに惚れてんねん。
アッキーこそなゆかのおっぱいばっかり見てたくせに。」
ギクッ
着物の上からでもGカップはあるだろうと推測される
豊かなバストに埋もれたいと思いながら、
なゆかさんのおっぱいを眺めていた事がばれたらしい。
「・・・・・・僕も胸、大きくしようかな。」
「ダメっ!!ハルカさんは今のままで充分です!!」
慌てて言うアキヒトを、
ハルカさんがニコニコしながら見つめる。
ああ、またからかわれた。
そう思うが、変に緊張しているよりはマシだと思い直すことにした。
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