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第十三章 不法侵入
松井帆菜は一人暮らしらしい。
あまり新しくなさそうなマンションは、明らかに独身者用だった。
セキュリティも甘そうである。
ハルカさんがインターフォンを鳴らす。
アキヒトは死角になる場所に立っていた。
「すみませーん、共有スペースに洗濯物が落ちてたんですけど
そちらの物かどうか確認してもらえますか?」
いつもより甲高い声でハルカさんが言うと、
玄関の扉がスッと開く。
すかさずハルカさんが扉の隙間に身体を入れこみ、中へと入った。
松井帆菜は何が起きたか分からずに、
驚いた表情でハルカさんを見たあと呆然としていたが
その後に入ってきたアキヒトを見て、血の気が引いた。
どうみても、ヤクザとその女にしか見えない組み合わせだ。
当然だと思う。
「お姉さん、宇津井京平と言う男を知ってるね?」
ハルカさんが低い声で言う。
松井帆菜は黙ったまま、何度も首を縦に振った。
恋して天使?それとも悪魔? VOL4へ続く♪
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