第十章 顧客裏事情

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第十章 顧客裏事情

「夜って何ですか?」 アキヒトがハルカさんに小さい声で聞く。 ハルカさんは眉をひそめながら 「水商売の事や。昼の仕事に対して夜の仕事やから“夜”ってこと。」 と囁いた。 「この手の店に通い続ける為には、金が必要やろ? ましてやナンバー1の太客なら おのずと高いボトルを入れることになる。 恐らく割りのいいデリヘルあたりで稼いでるとちがうかな。」 デリヘルか。 呼んだことはないけど、風俗の事なら知っている。 エロに対する知識は自慢じゃないが 同世代の中でもトップクラスだと自負していた。 アキヒトは帆菜を見て、 “今日は派手にしているけど、こんなおとなしそうな子がねえ。”と思っていた。
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