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第五章 落胆と嫉妬
“せっかくお金を使ったのに、気のないコールやな。”
恐らくクオリティは変わらないのだろうが、帆菜には
翔喜の気持ちが乗っていないことが分かった。
多分さっきから別テーブルの
あの彼女のことが、気になるのだ。
確かにあの人は顔も小さいし肌も綺麗だ。
モデルみたいに脚が長くてスタイルもいい。
おまけに自分とは比べ物にならないくらい美人だった。
あんなに綺麗なら、こんな店に来なくても
大抵の男はチヤホヤしてくれるだろうと思う。
だけど、若い男を引き連れて得意げにしているような女の
どこがいいというのだ。
しかもヤクザと繋がっているような女だ。
“私のほうが翔喜にはふさわしいんやから。”
心の中で燃えるような感情が、くすぶっていた。
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