第五章 落胆と嫉妬

1/1
前へ
/18ページ
次へ

第五章 落胆と嫉妬

“せっかくお金を使ったのに、気のないコールやな。” 恐らくクオリティは変わらないのだろうが、帆菜には 翔喜の気持ちが乗っていないことが分かった。 多分さっきから別テーブルの あの彼女のことが、気になるのだ。 確かにあの人は顔も小さいし肌も綺麗だ。 モデルみたいに脚が長くてスタイルもいい。 おまけに自分とは比べ物にならないくらい美人だった。 あんなに綺麗なら、こんな店に来なくても 大抵の男はチヤホヤしてくれるだろうと思う。 だけど、若い男を引き連れて得意げにしているような女の どこがいいというのだ。 しかもヤクザと繋がっているような女だ。 “私のほうが翔喜にはふさわしいんやから。” 心の中で燃えるような感情が、くすぶっていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加