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第七章 延長
「ハルカ姫、酔っちゃったの?
甘えるなら俺にしなよ。」
迫ってくる翔喜から逃れるように、ハルカさんは時計を見る。
そういえば、初回千円は二時間限定の料金のはずだった。
いつの間にか二時間経過していたことに気付いたアキヒトが、
「あ、時間だ。」
と言う。
「ほんまや、そろそろおいとませんと、追加料金かかるし
お店にも迷惑やわ。ありがとうな。」
にっこり笑って席を立つハルカさんを、
翔喜が「まあまあ。」となだめて座らせた。
「知らない仲じゃないし、ここからは俺がおごるから、座ってなよ。
大丈夫、迷惑やあらへんから。」
「え?そんなの悪いよぉ。男の子連れてるし。」
「いいって、いいって。彼の分もご馳走するから。」
「えー、本当にいいの?」
ハルカさんの目が、キラりと光る。
可愛いけど、悪い顔だった。
「もちろんや。」
と言いながら、翔喜は二人分のお茶割を早速作り始めた。
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