0人が本棚に入れています
本棚に追加
第八章 女の意地
「ちょっと行ってくる。」
翔喜が<あの女>のテーブルに移動してしまい、
帆菜はムッとしながらお茶割りを飲んでいた。
ヘルプについてくれた子が、
「ごめんねー。」と言ってくれる。
優星と言って、21歳の若い子だった。
「翔喜さん、帆菜姫に冷たすぎるよね。
俺ならもっと優しくするのに。」
「ありがと、気ぃ遣ってくれて。」
帆菜が言う。
どうせこの子も、お金を落とすようになれば
翔喜のように冷たい態度に変わるのだろう。
もう男なんてどれも一緒だと彼女は思っていた。
では何故、ホストクラブに通いつめ
金を落とすのか?
その理由を一言で言うのは難しいが、
恐らく『女の意地』なのだろうと帆菜は自己分析していた。
最初のコメントを投稿しよう!