第十一章 決意

1/1
前へ
/18ページ
次へ

第十一章 決意

「これは、一人二人の量や無いで。 一体何人にやられたか覚えてるか?」 ハルカの体内から出てきた体液を調べた医師が、その量に驚く。 彼は眉をしかめていた。 「・・・・・・10人ちょいや、12人かな。」 ハルカはベッドに横たわり、怒りの表情を浮かべながら淡々と告げた。 あいつら一人ひとりの顔は全部覚えている。 「ほんま、良く生きとったわ。普通の子やったら死んでるで。」 先生が感心したように言った。 「ハルちゃんは見た目より強い子やからな。 助かってほんまに良かったわ。」 内臓の損傷と、粘膜の裂傷は全治三週間と診断される。 くそ、こんなもの一週間で治してやる。 ハルカは内心そう決めていた。 「人の身体を好きにしやがって。必ずケリはつけるからな。」 彼は千里にだけ聞こえる声で囁き 千里は黙って頷いた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加