危険ないざない

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 唇を接したまま和之がくすくす笑ったのが振動で伝わってくる。 「欲しいんですか?」 「ん……」  このときばかりはネクタイで目が隠れていてよかったと思った。恥ずかしさをこらえるためにすごく不細工な顔をしていただろうから。 「わかりました」  触れ合っていた唇が至近距離で答えて、ゆっくりと下に降りていった。 「あ……っ」  顎下、首筋、鎖骨を順番に吸われて、鎖骨に来た瞬間にびくりと震えた。出っ張ったところは性感帯というが本当にそうだ。特に楓の場合、身体の右側が驚くほど敏感だった。  和之が楽しそうな声を上げる。 「声、出ちゃいましたね。鎖骨弱いんですか?」 「別に、そういうわけじゃ……んっ!」  左右の鎖骨に交互にキスされて、右はやっぱり声を抑えられなかった。 「なるほど、こっちが弱いんですね」  笑い混じりで悟ったように言われると、大したことでもないのにとても恥ずかしいことのように感じる。 「だからちが……ん、ふぁっ!」  反論したかったのに、右側ばかり集中的にいじられて言葉をまともに発することもできない。与えられる快感にいちいち感じ入ってしまうのだから和之のなすがまま翻弄されるほかなかった。  蝶結びになっている肩紐を一方だけ解かれ、ブラを緩められると、右胸がひんやりした空気にさらされる。呼吸だけで笑った気配が微かにした。どうせ小さいわよ――内心でむくれていたら、彼の関心は別のところにあったらしい。 「ここの先端、今どうなっているか分かりますか?」  なんつうことを聞くんだ。 「し……知らないっ」 「知らない? 本当に?」   くだんの部位にふっと息を吹きかけてくる。そんなことをされたら勃っていないものも勃ってしまう。 「ほら、分かるでしょう。答えてください」  乳房の円周を指の背でなぞる。壊れやすいものを扱うように繊細に下側のふっくらした部分をすくう。そのままじわじわと、ゆっくりゆっくり頂点に近づいていく。 「――あっ」  乳輪のあたりを揉まれて、そのまま一番敏感なところに触れてもらえると思ったのに、彼の手は期待を裏切るように別のところへ移っていった。  もどかしくてもじもじと身体を揺らすと「どうしましたか?」とわざとらしく聞いてくる。
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