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 風俗は23歳の時に或るライブハウスバーで互いに独身として出会い、エレキギターの趣味を持っていることが分かって仲間になった江藤という男と通っていた店に江藤が結婚後も独りで行っていた。  江藤は子供の頃から餓鬼大将、けれども落ちこぼれで学歴で人を判断するのはいけないが敢えて言うと中卒で派遣社員に過ぎないのだが、歳は啓介より三つ上で背は中背の啓介より少し高く体格は中肉の啓介よりがっちりしていて頭は角刈りで肌は色黒で出で立ちは容姿同様精悍な感じで性格は陽気で社交的で単純で屈託が無く思った事は何でも言う様な、良く言えばストレート、悪く言えば不躾な所が特徴で素封家の親の脛を齧って生活していて、そのお陰で金が有って気前が良くて羽振りが利いて妻子持ちでおまけに高級外車二台所有し、その上、エレキギターの腕前がプロ級ときているから同じエレキギター好きでも啓介にとっては立場も見て呉れも性格も正反対のちょっと羨ましくなる様な男だった。だから江藤のバンド仲間達も江藤との付き合いにメリットを感じて口々に、「江藤さんとの付き合いは続けるべきだぜ!」と啓介に言うのだった。
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