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「それは残念ながら認める他ないざます。何しろモッカさんはモッカさんでお世辞にも巧いとは言えないざますし、うーやんさんはうーやんさんで相も変わらず珍プレーコーナーのメインレギュラーをお勤めでござあますし、エラー数がリーグトップで優勝したのでは巨人の選手の皆々様方並びに他チームの選手の皆々様方にも申し訳が立たないざあます。」 「ハハハ!ほんとだよ。中日なんか巨人と張り合うのは十年早いってんだよ。」 「言われてみれば、木崎さんの仰る通りざあます。それが本当に張り合っちゃって、おまけにマジック12がお天道様しちゃっただなんて烏滸がましいったらありゃあしないざあます。御免あさっせ!」 「ハハハハ!」と木崎が機嫌良く笑った所で中日ファンの内原博之がやって来た。「何、話してるんだ。僕も話に加えてよ。」 「ああ、ウッチーか、昨日の中日巨人戦、見たか。」と啓介が聞く。 「ああ、勿論、見てたけど、途中でテレビ消しちゃったよ。何せ、江川相手に5点差も付けられたら勝ち目がないって思ったからね。」 「うん、僕もそう思ったんだけど野球好きだからさあ、ずっと見てたんだよ。そしたら、これが亦、今、思えば、これから愈々佳境に入るって所で中継が終わっちゃってさあ。あの大逆転劇をラジオで聞いてて、つくづくテレビの生中継で見たかったって思ったよ。」
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