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 啓介は中2の時、つまり1982年の頃から落合選手が好きで憧れの的だったが、組織に対する嫌悪感はまだなかった。だから人気者であったことからも分かる通り周囲にしっかり溶け込んでいたが、中3、高1、高2、高3と進級するに従って周囲の人間に違和感を強く覚えるようになり、遂に共感できなくなり、大学一年生になった時にはすっかりニヒルになってしまった。子供の頃、尊敬していた父親に分別が付くに従って幻滅して行ったように周囲の者にも幻滅して行ったのだ。
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