出会い

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3f18829e-480b-481e-b240-75e91e6581bd 「お先に失礼します。」 私は挨拶をして職場である図書館を後にする。 梅雨明けして間もないこの頃は、閉館の6時半を過ぎても辺りはまだ十分に明るい。 私は、周りに人がいない事を確認して、自転車に乗り、いつものように最寄りの大型書店による。 帰りに本屋に寄るのは私が学生の頃から習慣。 お小遣いの少ない中学生の頃に、立ち読みをするため毎日書店に通っていたのが、今では収入もあり、図書館に勤めてもいるのに、やめられない。 最近では、気のせいかもしれないけれど、妙な視線を感じる時があり、なんとなく警戒はしているんだけど、それでもまっすぐ帰らず、本屋に寄ってしまうのはもう病気と言ってもいいのかもしれない。 そんな私が、いつものように書店に入ると、入り口正面に大好きな作家さんの特設コーナーが作られていた。 やった! 私は嬉しくなって、そのコーナーに足を向ける。 ……が、その掲示物を見て、固まってしまった。 『訃報』 『素晴らしい作品をいくつも残して 突然この世を去った彼女に 敬意を表して… 』 嘘……… だって、まだ完結してない作品があるじゃない。 続きを楽しみにしてたのに。 まだまだ、いろんな物語を書いて欲しかったのに。 私は、その場に立ち尽くした。
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