同居と同期

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宮原さんに送っていただくところを、あまり他の人に見られたくないので、少し早めに図書館に向かった。 もし、優美に見つかれば、絶対に合コンをセッティングしろって言うに決まっている。 お世話になっている宮原さんにそんなことを言うのも嫌だし、私が合コンに行くのも避けたい。 宮原さんと住んでいることは、優美には絶対に内緒にしなくては。 早めに出勤した私は、夜間ポストに投函された本の返却手続きから仕事に取り掛かった。 いつも通り、閉館時刻までしっかりと働き、図書館を出る。 自転車置き場を通り過ぎて、駐車場の宮原さんのもとへ向かい、助手席に乗せてもらった。 「わざわざ来ていただいて、 ありがとうございます。」 私が頭を下げると、 「どういたしまして。 由里子さん、お疲れ様。」 と頭をぽんぽんと撫でられた。 これは、小説でよく目にする、頭ぽんぽんというやつでは!? 宮原さんに頭を撫でられると、本当に小説に書いてあるように、胸がキュンキュンする。 どうしよう。 これ以上、宮原さんを意識しないようにしなくては。 こんな素敵な人、好きになったら、傷つくのは私だ。 宮原さんは、ただの親切な同居人。 それ以上でも、それ以下でもない。 私は、自分にそう言い聞かせながら、窓の外の景色を眺める。
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