初デートは…

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「おはよう。」 髪を撫でられる心地よさとともに目覚めると、目の前に宮原さんの眉目秀麗な顔があり、驚いた。 「お、おはようございます。」 び、びっくりした! 寝起きで、眼鏡を掛けていない宮原さんは、いつにも増して色っぽい。 驚く私を他所に、宮原さんは私の頬にちゅっとくちづける。 「由里子さん、かわいい。」 そうだ… 私、宮原さんと… 昨夜のことを思い出すと、途端に恥ずかしくなる。 どこを見ていいかも分からない。 「あの、宮原さん… 」 私が目を伏せながら言うと、 「大和(やまと)。」 「え?」 「名前。大和って呼んで。」 と言われた。 そうか。 恋人が『宮原さん』って呼ぶのは変だよね。 でも、ちょっと恥ずかしい… 私は、ドキドキしながら、口を開いた。 「やま…と…さん?」 「はい。」 大和さんは嬉しそうに目を細めて返事をする。 名前で呼ぶだけで、こんなに喜んでもらえるんだ。 私はこれからもちゃんと名前で呼ぼうと心に決めた。
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