お正月

6/12
前へ
/90ページ
次へ
「それは… 」 私が答えようとすると、大和さんがそっと私の手に手を添えて、言った。 「安全ではない事が分かりましたので、この マンションのセキュリティを強化しました。 犯人は捕まりましたが、由里子さんは、 とても魅力的な女性ですから、第2、第3の ストーカーが現れないとも限りませんし。」 ちょっ… 大和さん、私の両親に向かって、何、言ってるの!? 「由里子にとって、一番危険なのは、君じゃ ないのか?」 大和さんの言葉を受けて、父の目が変わった。 すると、大和さんは、私の両親を真っ直ぐに見て言う。 「私は、一生をかけて由里子さんを守り、 幸せにしていきたいと思っています。 由里子さんにも、結婚を前提としての お付き合いを申し込み、快諾していただき ました。」 「そうなの? 由里子。」 母が私を見て尋ねる。 「うん。 大和さんは、私なんかには勿体ない人だと 思うの。 だから、お願い。 私がここに住む事を認めてください。」
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1618人が本棚に入れています
本棚に追加