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"After that ・・・" 深夜、最近自分でも登録した動画配信サービスの映画を、ベッドの下段の秋山が眠りについてから暗闇で鑑賞していた。 "・・・my guess is that you will never hear from him again. The greatest trick the devil ever pulled was convincing the world he did not exist. " 寝付けずに観始めたが、とうとう丸々1本を観終えてしまう。 "And like that・・・" ためいきをつく。 "he is gone." 吐息と暗い弦の音。フッと暗闇に包まれ、物語は終わった。イヤホンをはずし、(ふーん)と電源を落とすと、(スマホで観るのは目に悪すぎる、しかも暗闇)と物語とは関係のない感想を心中でつぶやいた。 短い眠りにつき、あっというまに明けた朝。バスケ部の秋山はいつものようにすでに支度を終えて朝練に向かったようだ。決まった時間に食堂に行くと、朝から男臭さに満ちた空間で、先に来ていた面子が定位置に掛けていた。秋山と同じく朝練のある大吾郎、野球部の耀介はすでにグラウンドに向かったが、同じ運動部組の高鷹は珠希のとなりで椅子の上に膝を立て、寝ぐせ頭と伸びた襟首でまだ半分眠っている。 「ほらー高鷹、さっさと食べちゃわないと1限も遅刻だよ」 「いい。俺今日行かね、学校」 「なに言ってんのバカ。あ、天音おはよ」 「おはよ。なに高鷹、キゲン悪いの?」 朝食を盛ったトレーを置いて天音が珠希に尋ねると、彼は「眠いだけだよ。3時までゲームしてたんだって」と眉根を寄せた。 「子供か」 「子供だね」 「うっせ」 「サラは?」 「まだ寝てるってさ」 「ねえ、ちょっと、サラ起こさないの?」 天音がとなりで黙々と白飯をかきこんでいたハルヒコに問うと、「今日はゴキゲンななめだから無理だ」と寝起きの声で返された。 「ちゃんと声かけたの?」 「ああ。だがふとんにもぐったままあっち行けとイラついた声で言われた。だからほっといた」 「ほっといたじゃないだろ。もー、あとで起こし行かなきゃ」 「どーせまた留年しない程度に日数を調整してるだろ。ほっとけ」 「ダメ、ほっとくとまたずーっと行かなくなるよ」 「へっ、勝手にしろ」 「ったく」 天音が顔をしかめてズズ…と味噌汁をすすると、高鷹が「おめーだんだん俺の母ちゃんみてえになってくな」と煙たそうな顔で指摘し、あくびをした。
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