scene.1-1 一緒に

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scene.1-1 一緒に

今思えば、あの日は厄日だった。 朝起きて手早く準備を済ませて食卓につくと、いつもの定位置に置かれていたのは丸焦げ一歩手前の食パン。 正直そのくらいならよくある母が朝食を用意するときのおっちょこちょいくらいで済むのだけれど、それだけでは不運は終わらず。 いつも普通に乗れている電車のダイヤが乱れたのにその分の遅延証明はなぜか発行されず、遅刻して新学期初日から怒られる という不運のフルコンボをかまし、なんて“逆”薔薇色の人生なんだろう とまで思った。 しかも新学期ということは、それに伴ってクラス替えもあるということで。 担任はめちゃくちゃ怖い学年主任の松本だし、一番前という神引きをした僕の席の真後ろ、つまり出席番号順で言えば前後になる人は女子だった。 「本当に花宮は、ったく…。とりあえず座りなさい。」 怒るのにも飽きたのか、松本が席に着くように促す。 ガタッと椅子を引いて座ると、僕のせいで中断していたホームルームが進んでいった。
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