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「強力だと思いますわよ? それにもし他の人間に何かしようものなら、対処しますし」 「むぅ…」 マカは口に手を当て、しばらく考えた。 「…それで貸し借りの方法は?」 「先程の名刺をわたしにもくださいな。マカ先輩とはぜひ連絡先を交換したいと思います」 リリスは華やかな美しい笑みを浮かべるものの、マカとソウマの表情はどこかイヤそうだった。 「正直申し上げて…。私としましては、魔女のあなたを完全には信用できません」 「まあソウマさんがそうおっしゃるのもムリはないでしょう。ですがこちらとしても、マカ先輩には無事でいてほしいんです。その為なら、協力体制になっても良いのではありませんか?」 「言葉は良いように聞こえるが…。お前、ようは他勢力に私を持っていかれるのがイヤなんだろう?」 「当然です。ですがマカ先輩はいろんな方を惹き付けてしまうので、大変ですわ」 「好き好んで厄介なヤツらを惹き付けるかぁ!」 激昂したマカの怒鳴り声を、二人は耳を塞いでやり過ごした。 「それはともかく。味方としては心強いと、マカ先輩は思いませんか?」 「むむっ…」 マカは今まで、魔女であるリリスに多くの厄介事に巻き込まれてきた。 だが裏を返せば、そのぐらいリリスの実力がスゴイということだ。 敵として厄介だった分、味方となれば心強い存在にはなる。 「…本当に守る側になるだけだな? 途中で余計な野心は出さないと誓えるか?」 リリスは自信ありげに微笑み、頷いた。 「誓えます。今はとりあえず、マカ先輩の安全が第一と考えていますから」 「…ならとりあえず、契約成立だな」 「マカ…」 「お前が渋るのも分かるぞ、ソウマ。だがコイツは強い。文句なしに、な。そして残念なことに、今の私には味方が少なすぎる。一時でも魔女の力を借りられれば、これほど強い味方もいないだろう」 「諸刃の剣と思いますが…。分かりました。あなたの言う通りにしましょう。ですがこの話し、長に報告してもよろしいですね?」 「あんのクソジジィに?」 マカの顔が、女子高校生とは思えないほど、そして有り得ないほど醜く歪む。 「そんな顔なさってもダメですよ? あなたのことに関しては、特に細かく報告するようにと言われているんですから」 「ジジィめ。自分がヒマなもんだから、私のトラブルを聞いて楽しんでやがるな」 「……そこは否定できませんが」 マカから目線をそらし、ソウマは言いづらそうに言った。 「まあ報告ぐらいなら良いだろう。ついでに聞いといてくれ」 「分かっていますよ。あとリリスさん」 「はい?」 ソウマは眼をスっと細め、リリスを真正面から見つめた。 「今はあなたにマカをあずけます。しかし少しでも妙な動きをしたなら…分かっていますね?」 「ええ。今回はあくまでも守る側に徹します」 胡散臭いことこの上ないが、ソウマは受け入れるしかない。 「…では情報は入り次第、すぐに報告します。くれぐれも自ら危険に近づかないでくださいよ、マカ」 「分かっている」
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