きっと貴方は分かってない

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きっと貴方は分かってない

ねえ、分かってる? 私さ、何度も言ったよね。 いきなり来るのは止めてって。 言ったよね? ねえ、分かってる? 私がどれだけびっくりしてるか。 もしも寿命カウンターが目に見えてたらさ、絶対縮んでるからね。 貴方のせいで、だいぶ縮んでるからね。 ねえ、分かってる? 自分がどれだけ大きな足音立ててるか分かってる? その図体なんだからさ、ただ歩いてるだけでも大きいんだよ、足音。 ひょっとしてさ、私のことからかってる? 足音だけ聞かせて、ビビらせてやれ見たいな。 だとしたら、私ほんとに許さないよ? 貴方のそう言うところ、私本当に嫌いなんだからね。 言っとくけど私、分ってるんだからね。 貴方が実はビビりなの。 私があなたにびっくりした時、貴方もびっくりしてるよね? だから急に逃げ出したりするんでしょ? 私が悲鳴上げた時、慌てて逃げだしたの、私覚えてるからね。 そう言う所が可愛く無いとは言わない。 私、分かってる。 貴方がここにいるのは、アイツがいるからでしょ? 私の事、守ってくれているんだよね。 それはちゃんと理解してる。 でもね、それとこれとは話が別なの。 ねえ、分かってる? 根本的にあなたは可愛く無いの。 いきなり出て来られると、びっくりするビジュアルをしているのよ。 もちろん私、分かってる。 アイツさえいなくなったら、貴方もいなくなるんだよね。 だから、アイツが来ないようにしろって言うんでしょ。 そう言うところ、シビアだよね。
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