滴る赤

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気がつくと、わたしは、ベッドの上にいた。恐らく、スーパーの医務室のベッドだろう。 「お客様、大丈夫ですか?」 と、スーパーの制服を着た女性が心配そうに、わたしを見下ろし覗き込んでいた。 わたしは、身体を起こそうとするけれど、上手くいかない。身体が重たくて重たくて、いうことをきかない。 「お客様、無理はしないで、落ち着くまでゆっくりされて大丈夫ですよ」 と優しい声を店員さんは掛けてくれた。 「ありがとうございます」 わたしは、やっとの思いで、声を絞り出して言った。
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