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もう一度室内をみまわしてみるけれど、血なんてどこにも見当たらなかった。
「あ、はい、すみません。何かの間違いでした」
わたしは、店員さんに謝り、買い物袋を手に持ち、スーパーを後にした。
店員さんは、大丈夫ですか? もう少しゆっくりしていかれても大丈夫ですよと声を掛けてくれたけれど、わたしは大丈夫ですと言って、丁寧に断った。
あれは、目の錯覚なんかではないと思う。
確かに、真っ赤な血はそこにあった。
真っ白な壁を赤色に染めていた。
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