赤色の夢をみる

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紅子(べにこ)さん、紅子さん」 誰かがわたしを呼んでいる。 なんだろと思い、我に返る。声がする方向に振り返ると、同僚の町本(まちもと)君がそこに居た。 そうだった。今は仕事の休憩時間で、わたしはオレンジジュースを飲んでいたことを思い出した。 「あ、町本君、お疲れ様~」 わたしは、愛想笑いを浮かべた。 「最近、紅子さんは、変ですよ。疲れているというかなんというか。どうかしたんですか?」 と、町本君は短めのくせ毛をくりくり指で触りながら、心配そうな表情でわたしを見た。
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