47人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「紅子さん、紅子さん」
誰かがわたしを呼んでいる。
なんだろと思い、我に返る。声がする方向に振り返ると、同僚の町本君がそこに居た。
そうだった。今は仕事の休憩時間で、わたしはオレンジジュースを飲んでいたことを思い出した。
「あ、町本君、お疲れ様~」
わたしは、愛想笑いを浮かべた。
「最近、紅子さんは、変ですよ。疲れているというかなんというか。どうかしたんですか?」
と、町本君は短めのくせ毛をくりくり指で触りながら、心配そうな表情でわたしを見た。
最初のコメントを投稿しよう!