滴る赤

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わたしは、布団を頭からかぶる。 何も聞こえない、聞きたくない。この耳には何も聞こえてこない。そして、赤色の血も見えない。 聞こえないのだから。そして、血なんて見えない。 だけど、雨の降るあの日のことが頭にちらりと浮かんだ。 そう、シトシトシト雨が降る日だった。 あれは……。 あの日わたしは……。
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