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赤色に染まる
『知っているかも』
『ちょっと、どっちなんですか? もしもし、紅子さん』
ーーー
わたしは、町本君が好きだった。その事がすっかり頭の中から抜け落ちていた。
それよりも、ずっと、友達だと思っていた智美ちゃんが嘘をついていたことがショックで許せなかった。
ある日、智美ちゃんと会社帰りに会社の近くのカフェでお茶をした。その時に偶然、町本君を見かけた。
わたしは、智美ちゃんに『あの子可愛いでしょ』と言った。だけど、智美は、『全然、あんなの子供みたいじゃない』と言って笑った。
なのに、なのに、智美ちゃんはいつの間にか町本君と付き合っていた。わたしに一言も言わないで。
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