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滴る赤
会社の帰りにスーパーに寄り買い物をする。
今日は、一週間分の食材を調達しようと思い、カートを押しながら店内をまわっていた。
「紅子~紅子じゃないの?」
と声がした。
振り返ると、くるりんと大きな目の女性が立っていた。
「あ、智美ちゃんだ、久しぶり~」
「紅子~本当に久しぶりだね、高校卒業してから何回か会ったけど、あれから一年ぶり位かな?」
買い物かごを手に持って、智美ちゃんは笑った。
「だよね、同じ駅に住んでいても中々会わないよね」
高校を卒業してから、八年になる。
智美ちゃんと他愛ない会話をして、またねと手を振る。
今度お茶をする約束をした。
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