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思い出すだけで空しい、私の恋心が、あのピンクの傘に変り、それがツバメのヒナに変化して、やがて遠い南の空に渡って行く。そんなアニメーションが脳内に再生された。
ちょっとした力作だ。
テーマは何だろう。新しい恋をしたら、思いつくかもしれない。
男の子に手を振って別れたあと、私は遅れを取り戻すように、速足で駅に向かった。
遠くで燕尾服の鳥が、チチチと、思い切り高い空を飛ぶ。
「あんたたちの天気予報は、よく当たるね」
前方に広がり始めた青空を見上げ、私は大きく深呼吸した。
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