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青い妖精
稜線にたたずんで 私には遠い山を思う
その山にしか咲かない花があるという
青空がこぼれ落ちたような
青く澄んだポピー
ヒマラヤの青い妖精
低地では咲かない花だと聞いた
無理に咲かせたとしても
夢が醒めたような咲き方しか しない
山男の恋人なのだと
ヒマラヤなんて 登れやしない
わかっているクセに
得意げに語る この浮気者
命まで 賭けやがって
妖精には勝てない
それはわかるよ
こう見えて妖精ファンだから
複雑な気持ち いっそ男なら
一緒に登れたのに
あなたといると 女の子になれなかった
力自慢始めちゃうんだ
ある日 言ったね
「君は弟だ」と
誰のせいだよ なんのせいだよ
このアホたんが!
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