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飲み物は、炭酸飲料とお茶と水の三種類。私はお茶を開けて飲んだ。
「うぇええ、なにこれ」
お茶を口に入れたはずなのに、口の中はシュワシュワとした炭酸が広がった。苦い、とにかく苦い。その上、なんか身体が拒絶する味がする。
私がペットボトルをよくみると、おなじみの緑色のラベルが貼ってあった。しかし、お茶の名前の下に少し小さい字でスパークリングと英語で刻印されている。
これは詐欺じゃないのか、ちゃんと試飲して製品化したのか、進藤さんはこういうのが好きなのか、様々な思いが頭をよぎったけど、蓋をしてテーブルの上に戻した。
頂いたものなのに申し訳ないけど、これは無理。
次に私は水を手に取り、飲んだ。さすがにこれは普通だった。
一息つくと、部屋を見回した。
私が座っているソファは部屋の端にある。正面にはテーブルがあり、飲み物とお菓子はそこに置かれている。
右手には私の入ってきたドアがあって、そのちょっと奥はカウンター付きの台所のようだ。
左手はベランダに出られるガラスの引き戸がある。
正面のテーブルのさらに奥には壁際に液晶がかけられており、その左には小さなデスク、その上にはノートパソコンが置かれていた。小さなデスクの足元にはカバンが無造作に置かれている。
その逆には本棚が立っていて、いろんな雑誌や漫画、難しそうな本が無造作にいれられている。
一体何をしてる人なんだろう。
でも、優しい彼女との関係を悪い物にしたくないし、詮索はやめることにした。
私はため息をついてテーブルを見た。お菓子の袋も三つだ。ポテトチップにチョコレート、あとは怪しげなグミだ。
グミが気になって袋を取った。なんでも立体パズル型のグミでいろんな形に組み立てて遊ぶらしい。私は開封して中身をみた。色とりどりのグミが詰まっている。
私はその中から二つを組み合わせてみた。なかなかしっかりとくっつく。少し面白くなったので何か作ってみることにした。
結果、なにやら、大きめの四角に一人一の字が付いたグラフティなものが私の前に鎮座している。それに最後に噛んで小さくした三角を乗せて、完成だ。
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